
店をやっている人なら分かると思います。
さっきまで普通に仕込みをしていたのに、スマホを見た瞬間、急にネギを切る手が止まる。
いや、止まっていないふりはします。
大人なので。
でも、心の中では止まっています。
「え、誰?」
「いつの話?」
「うち?」
「ほんまにうち?」
「いや、うちやな。Googleマップやもんな」
この数秒で、人間はかなり小さくなります。
普段は「お客様の声を大切にしています」と言っています。
それは本当です。
本当に大切にしています。
ただし、星ひとつを見た直後だけは、少しだけ人間が小さくなります。
できれば大切にする前に、いったん誰かに抱きしめてほしい。
店主というのは、案外ぜいたくな生き物です。
良いことは大きな声で聞きたい。
悪いことは小さな声で、できれば個室で、できればお茶付きで聞きたい。
でもGoogleマップは、そんなこちらの都合を聞いてくれません。
星も、クチコミも、写真も、全部そのまま置かれます。
お客様が見た店が、そこに残ります。
それは怖いことです。
でも本当に怖いのは、星ひとつそのものではありません。
そのあと、店が黙ってしまうことです。
Googleマップを見ている人は、投稿者だけではありません。
まだ来たことのない人も見ています。
その人は、店とお客様の間に何があったのか、全部は分かりません。
でも、返信があるかどうかは分かります。
言葉が冷たいか。
落ち着いているか。
言い訳が多いか。
ちゃんと受け止めているか。
お客様に向き合う店なのか、放っておく店なのか。
なんとなく伝わります。
この「なんとなく」が、店選びではけっこう大きい。
お客様は、わざわざ店に理由を伝えてくれません。
「返信が不安だったので、行くのをやめました」
とは言ってくれない。
ただ静かに、別の店を選びます。
来なかったのではありません。
来る前に、取りこぼしていたのかもしれません。
だから、私たちはクチコミ返信を作業として見ません。
これは、来店前の接客です。
店内では、目の前のお客様に接客します。
Googleマップでは、まだ来ていないお客様に接客します。
店内接客は、その場のお客様に届きます。
Googleマップ上の接客は、未来のお客様にも届きます。
この違いは、とても大きいと思っています。
お客様が残す星やクチコミや写真は、外から見た店の記録です。
それに対する返信は、店の内側から出す言葉です。
外から見た店。
内側から伝える店。
その両方が並んだ時、初めて「この店はどんな店なのか」が見えてきます。
FRONTCASTが整えたいのは、まさにそこです。
星を操作することではありません。
クチコミを都合よく見せることでもありません。
きれいな定型文を自動で並べることでもありません。
お客様の声に対して、店がどう向き合うのか。
その姿勢を、来店前のお客様にも伝わる言葉に整えること。
もちろん、現場は忙しいです。
仕込みがあります。
接客があります。
発注があります。
スタッフの教育があります。
数字の管理もあります。
その上で、毎回のクチコミに丁寧な返信を書き続けるのは、簡単ではありません。
だからこそ、FRONTCASTがあります。
店の価値と姿勢を、現場に無理なく発信し続ける。
来店前の小さな違和感を減らす。
候補から外れない状態を整える。
安心して選ばれる流れをつくる。
星は、お客様がつけるものです。
でも、その声にどう向き合うかは、お店が決められます。
そこに、店の姿勢が出ます。
Googleマップ上に残る返信は、投稿者への返事であると同時に、これから来るお客様への接客でもあります。
だから、クチコミ返信を、来店前の接客に変える。
それが、FRONTCASTです。