
メールアドレス。
名前。
会社名。
電話番号。
場合によっては、クレジットカード。
まだ何も分かっていないのに、こちらの情報だけ先に渡す感じがする。
私はあれが、少し苦手です。
もちろん、サービスを作る側の気持ちも分かります。
誰が使ったか知りたい。
あとで連絡したい。
見込み客として管理したい。
マーケティング的には正しい。
分かります。
分かるのですが、自分が使う側になると、急に嫌になります。
人間というのは、本当に勝手なものです。
店では「まず価値を伝えよう」と言っているのに、自分がサービスを使う側になると、登録フォームを見ただけで逃げたくなる。
こちらの都合の良さには、なかなか味わいがあります。
クチコミ返信に悩んでいる店主は、ただでさえ忙しいです。
今すぐ返信しないといけない。
でも、何を書けばいいか分からない。
悪いクチコミを見て、少し心が重い。
良いクチコミにも、気の利いた返事ができていない。
Googleマップが大事なのは分かるけど、正直そこまで手が回らない。
そんな時に、
「まず会員登録してください」
「メールを確認してください」
「プロフィールを入力してください」
と言われたら、たぶんその時点で閉じます。
少なくとも私は閉じます。
閉じてから、少しだけ罪悪感を持ちます。
「また今度見よう」
そして、その今度はだいたい来ません。
だから、店名だけで診断できる入口を作りたいと思いました。
まずは、自分の店がGoogleマップ上でどう見えているのかを知る。
返信はされているか。
言葉の温度はどうか。
低評価への向き合い方はどうか。
良い声を活かせているか。
初めて見る人に安心感が残っているか。
それを、できるだけ軽く見られるようにしたい。
店主にとっても、新しい道具を使う前には不安があります。
難しいのではないか。
営業されるのではないか。
あとから高い料金を言われるのではないか。
自分の店が勝手に操作されるのではないか。
Googleマップに何か投稿されてしまうのではないか。
そういう不安は、入口でできるだけ減らしたい。
店名を入れる。
自分の店の見え方を知る。
必要なら、もう少し試してみる。
それくらいの順番が自然だと思いました。
サービス側が欲しい情報より先に、使う人が知りたいことを渡す。
これは、来店前の接客と同じです。
店の前に立っているお客様に、いきなり住所と電話番号を書いてくださいとは言いません。
まず、入りやすい空気を作る。
何の店か分かるようにする。
安心してもらう。
そのうえで、必要なら中に入ってもらう。
FRONTCASTの入口も、そうありたいと思いました。
登録の前に、まず価値を見せる。
店名だけで診断できるようにしたかった理由は、そこにあります。